長年の山歩きで生駒山をすっかり征服した(うそ)ので、生駒山の南に位置する信貴山を歩いてみることにした。
近鉄信貴山下駅を降りると、西北西に向けて長い坂が見事に一直線に伸びている。坂の上のほうに学校があるようだが、通学で毎朝この坂を上るのはなかなか大変そう。
昔、信貴山のお寺への参拝客を見込んだケーブルカーが通っていたらしく、路線は廃止されたが当時の名残でこんな直線坂が残っているらしい。ブラタモリのネタっぽい話だな。
坂は途中から山道になるが、やっぱりカーブが無くずーーっと上まで一直線。桜の季節は人気のスポットらしいが眺望はそれほど開けておらず、起伏に乏しい坂を黙々と上っていくのは意外にしんどく感じる。
駅から徒歩およそ50分、ようやく
さらに進むと、電動で首が動く大虎と小虎たちがお出迎え。
聖徳太子が「寅の年、寅の日、寅の刻」に必勝法を授けてくれた毘沙門天を祀ってこのお寺を建てたとの伝承から、ここでは虎(寅)が信仰されているそうな。
信貴山寺の境内は結構広い。お堂の数も多いが、得られるご利益はお堂により様々なので、参拝客は境内をあちこち回ってご利益をgetしていく訳だ。 昔は一種のテーマパークのようなものだったのだろう。
この日は天気も良く、お堂や鳥居・灯籠と新緑とのコントラストがなかなかいい感じ。
境内をうろうろしていると、千手院の横に長くて黄色い奇妙な物体を発見。虎の顔がついているようだが、なんだろう。
近くに行ってみたところ、「父寅 母寅 子寅 三寅の胎内くぐり」と書いてある。中を通り抜けると福を授かるとのこと。
大きく開けられた寅の口を恐る恐るくぐってみると・・
寅の体の中は消化物がドロドロした内臓器官・・ということはなく、人生に役立つありがたいお言葉とか絵馬とかが飾られたトンネルになっていた。
トンネルを出ると・・あれ?入口にも顔があったよね?こっちにも顔?お尻は?
後日知ったのだが、このトンネルはなんと!父寅と母寅がお尻をつき合わせた形なのだそうだ。どこが肛門のつなぎ目だったのだろう。
そういえば子寅はどこだろうと探すと・・親の背中の上にいたよ。
←上にいた子寅
信貴山寺では電動大虎小虎やこの胴長虎の他にもあちこちに虎が顔を出しており、改めてここが寅信仰のお寺なのだなと感じられた。
ただし阪神タイガースの関係者が毎年お参りに来ていると聞いたので、もしかしたら勝負事へのご利益は薄いかも知れない。
【2023年11月追記】なんと阪神タイガースが日本シリーズを制して38年ぶりに日本一になった。38年間お参りし続けたら勝負事のお願いも叶うのかも。
そんな中、胎内くぐりの近くの神社にいたお稲荷さんの形相がやたら険しかったことは紹介しておこう。
←険しい顔のお稲荷さん
「みんな虎ばかりちやほやしやがって。ふんっ!」とか思ってたりして。いや勝手な想像ですが。
* * *
←近くの池の吊り橋
信貴山はお寺のほかキャンプ場やバーベキュー、果物狩り、吊り橋などもあり、小さなお子さんが家族連れでいろいろ楽しめるところだ。
奈良県は新型コロナウイルスの規制が無いせいか、バーベキューの駐車場が大阪からの車で満杯だったのがちょっと気になった。
烏賊爆弾 ©まさやんT リンクフリーですが、掲載の文章・写真など全てのコンテンツにつき、複写・転載・公衆送信等は禁止します